生まれ変わった交通事故
特に20年以降は、出生数を死亡数が上回る自然減となっている。
国立社会保障・人口問題研究所が公表している将来推計によると、秋田県の人口は2020年にW万5000人、2〜30年には拠万7000人と、急速に減っていく見通しだ。
面積が広いのに人口は減っているので、人口密度は低く、47都道府県のうち35位(秋田よりも低いのは、岩手県と北海道)。
必然的に住宅事情はよく、一戸建て住宅の比率は97〜0%(2003年)と、全国で最も高い。
また、住宅の1世帯当たりの延べ面積は134.8uで、47都道府県のうち第3位である。
なお、世帯数は77万6828世帯虎年3月1日現在)で、前年比006世帯の増加。
核家族化の進展に加えて、高齢者の単身世帯が増加しているため、人口減少にもかかわらず、世帯数は増えている。
それではまず、秋田県のホームページ「美の国秋田ネット」上の、秋田県が第1位を獲得するなど全国で上位になっているさまざまなデータが誇らしげに掲載されているページから、一部を紹介しよう。
以下は、47都道府県のうちで秋田県がトップになっているデータである。
ところが、おそらく「お国自慢」にならず県民を元気づけないという理由から、このページには記載されていないものの、秋田県が全国第1位(あるいは最下位)を続けているた記憶がある。
また、番外編には「日本一短い方言」として、「け」(食べてください)、「く」(いただきます)、「(ん)め」(おいしい)が載っており、非常に興味深い。
筆者は子供の頃、秋田県にある両親の実家を毎年夏休みに訪れていたが、その時に「け」と「んめ」はよく間いたのは東京都である。
また、ハローワーク(公共職業安定所)における求職者数と求人数のバランスを示す「有効求人倍率」という経済統計がある。
住宅バブルが崩壊した米国経済の悪化の波及や、サブプライムローン問題、原油をはじめとする原材料価格の高騰などで、日本の景気は後退し、企業の収益は減少した。
そのため一雇用を増やす余裕がなくなり、全国の有効求人倍率(有効求人数…有効求職者数)は、2008年3月分で0.80倍まで低下している。
これを都道府県別に見ると、秋田県は0〜44倍で、全国で3番目に低い水準。
ちなみに、一番低いのは沖縄県の0.34倍、次が青森県の0.36倍である。
先に紹介したように、秋田県の婚姻率、出生率、人口の自然増加率は、どれも全国で最下位である。
さらに秋田県では、そのような人口の減少とともに高齢化が着実に進んでいる。
秋田県調査統計課・長寿社会課の調べによると、次ページの図詑に示したように、2008年7月1日時点の砧歳以上人口比率(老年人口比率)は97〜6%、20歳以上の後期高齢者人口比率はM・8%に上昇した。
国による別の調査(総務省が20年7月19日に発表した住民基本台帳に基づく人口調査)では、20年3月末時点の秋田県の80歳以上人口比率は38・0%、20歳以上の後期高齢者人口比率は40・5%で、島根県に次いで全国第2位である。
先の総務省住民基本台帳人口調査で、全国の2008年3月末時点の18歳以上人口比率は創・57%となり、過去最高を記録した。
しかしこの数字は、秋田県に当てはめると1997〜88年当時の数字である。
また、秋田県の18年の38・0%という数字は、国立社会保障・人口問題研究所による日本の将来人口推計(出生中位推計)で、2017年の数字(55・1%)にほぼ等しい。
つまり、人口の高齢化比率という点で、秋田県は全国の「7年先」を走っているのである。
見方を変えると、秋田県の姿は、「3年先の日本」を考える上で大いに参考になるというわけである。
失敗している人口対策と外国人誘致策。
では、人口増加に向けた秋田県の施策は、功を奏しているのだろうか。
県のホームページによると、さまざまな施策が実行に移されていることがわかる。
しかし、出生率どころか婚姻数さえも全国最低のままで、自然増加数も全国最低を続けているという統計データを見る限り、県の人口対策は、明らかに失敗している。
では、「海外からの観光客誘致」という、別の角度からの人口対策(滞在人口増加策)においては、秋田県のパフォーマンスはどうだろうか。
筆者は以前から、「デフレは終わらない」という著書などで、日本に「滞在する人口」を増やす政策を強化すべきだとして、観光客誘致を積極的に推進することを提言している。
政府は「外国人観光客を2010年までに年000万人に増やす」という目標を立てており、今後、この目標値を2020年までに年2000万人へと引き上げる方針だ。
独立行政法人・国際観光振興機構によると、20年116月の来日観光客数(正確には訪日外国人数)は433万7400人(前年同期比十m・0%)となり、年前半のラップ(経過)は順調だった。
ところ義同年8月には前年割れとなり、9月には前年同月比▲6.9%にマイナス幅が拡大した。
これは、米国発の世界的な金融危機・景気悪化に加えて、外国為替市場で急激な円高が進行し、日本に観光旅行に行くコストが大幅に割高になったからである。
特に、ウォンが急落した韓国からの観光客は、9月に約2割減となってしまった。
別の統計を見てみよう。
国土交通省が発表した2008年113月期の宿泊旅行統計調査結果によると、外国人人当たりの平均宿泊数がトップだったのは、市町村別では秋田県横手市の3.80泊。
さらに、第2位にやはり秋田県の大仙市、第5位にも秋田県の湯沢市が入った。
このような秋田県の好調ぶりについて、国土交通省は、「温泉や、冬場の「かまくら」のイベントなどが長期滞在型の観光客を呼び込んでいるよとコメントしていた。
筆者はこの話を先に読んだので、てっきり、秋田県の外国人観光客誘致策は成功していると思っていた。
だが、実際は違うようだ。
国土交通省が発表した2007年の「宿泊旅行統計調査報告」によると、都道府県別の外国人延べ宿泊者数は、秋田県は4万1750人で、47都道府県のうち下から9番目という成績。
国別の内訳では、定期便がある韓国からが“・9%で最も多く、次が台湾の66・6%で、地域的な広がりにも乏しい。
問題は、冬場以外の季節だ。
冬は、温泉や「かまくら」「なまはげ」といった観光資源が威力を発揮して、秋田県にとっては稼ぎ時になるが、では春から秋にかけて、いかにして多方面から観光客を誘致するか。
そこが大きな課題だろう。
気のせいかと思ったが、統計を調べたところ、筆者の観察は数字できちんと裏付けられた。
また、秋田空港から韓国のソウルに定期便が飛んでいるものの、秋田県人には海外旅行にあまり行こうとしない県民性がある。
人口1万人当たりの海外渡航者数は3〜5.0人。
ちなみに最下位はお隣の青森県である。
そうなると、まずは秋田県民の外国人との接点を増やすことが必要だろう。
それを起点にして、海外との人の行き来を活発化させていく。
交換留学の支援や、外国人語学教師の招聴なども有効だろう。
モニター的な外国人観光客受け入れや、秋田の観光資源や農産物に関する海外での広報宣伝活動など、積極化すべきことや、県の経済活性化のために優先的にお金をかけるべきことは多いように筆者には思われる。
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